日本の食事摂取基準(2020年版)
成人男性:推奨量850〜900μgRAE/日、耐容上限量2,700μgRAE/日 成人女性:推奨量650〜700μgRAE/日、耐容上限量2,700μgRAE/日 妊娠初期:+0μgRAE/日、妊娠中期・後期:+80μgRAE/日 授乳中:+450μgRAE/日
- RAE(レチノール活性当量):ビタミンAの効力を示す単位
- レチノール 1μg = 1μgRAE
- β-カロテン 12μg = 1μgRAE(食品中)
- β-カロテン 2μg = 1μgRAE(サプリメント)
一般的な健康維持
成人:700〜900μgRAE/日(食事とサプリメント合計) サプリメントからは500〜700μgRAE/日が標準的
状態別推奨量
- 夜盲症・視力低下:800〜1,000μgRAE/日
- ニキビ改善:外用レチノイド(処方薬)または食事からの摂取強化
- 免疫強化:700〜900μgRAE/日(特に感染症流行期)
- 妊娠計画中・妊娠初期:770μgRAE/日以下(過剰摂取は胎児の奇形リスク)
- 加齢黄斑変性症:β-カロテン15mg(約25,000IU)/日(AREDS研究、喫煙者は避ける)
効果的な摂取方法
ビタミンAは脂溶性のため、脂質と一緒に摂取すると吸収率が向上します。オリーブオイル、ナッツ、アボカドなどの健康的な脂質と組み合わせましょう。
β-カロテンの利点
β-カロテン(植物性)は体内で必要な分だけビタミンAに変換され、過剰分は体外に排出されるため、過剰摂取のリスクが極めて低く安全です。ただし、喫煙者は高用量β-カロテンサプリメント(20mg以上/日)の使用を避けてください(肺がんリスク増加)。
レチノールとβ-カロテンの違い
- レチノール(動物性):即座に利用可能だが、過剰摂取リスクあり
- β-カロテン(植物性):必要に応じて変換、過剰摂取リスク低い