日本の食事摂取基準(2020年版)
成人:推奨量2.4μg/日 妊娠中:+0.4μg/日(2.8μg/日) 授乳中:+0.8μg/日(3.2μg/日)
- 耐容上限量は設定されていません(過剰摂取リスクが極めて低いため)
一般的な健康維持
成人:10〜25μg/日(サプリメントから)
- 食事からの吸収率は約50%、サプリメントは形態により異なる
状態別推奨量
欠乏症のリスクが高い方
- ベジタリアン・ヴィーガン:250〜500μg/日または週1,000〜2,000μg
- 60歳以上の高齢者:100〜500μg/日(吸収率が低下)
- 胃切除術後、萎縮性胃炎、悪性貧血:500〜1,000μg/日(経口)または注射
- メトホルミン(糖尿病薬)服用者:500〜1,000μg/日
- プロトンポンプ阻害薬(PPI)長期使用者:250〜500μg/日
健康サポート目的
- 欠乏症のの医療ケア:1,000〜2,000μg/日(経口)または注射1,000μg/週〜月
- 神経障害:高用量(1,000μg/日以上)、医師の指導下
ビタミンB12の形態
シアノコバラミン
- 最も一般的で安価
- 安定性が高い
- 体内でメチルコバラミンやアデノシルコバラミンに変換される必要がある
- 大量摂取で受動拡散により吸収(内因子不要)
メチルコバラミン
- 活性型で即座に利用可能
- 神経系への効果が高い
- やや高価
- 光に不安定
アデノシルコバラミン
- 活性型
- ミトコンドリアのエネルギー代謝に関与
- 入手しにくい
ヒドロキソコバラミン
- 注射用として使用
- 体内滞留時間が長い
- シアン化物中毒の解毒剤としても使用
効果的な摂取方法
経口摂取
- 通常量(〜100μg):内因子依存の吸収(約1〜2μg)
- 高用量(500〜2,000μg):受動拡散による吸収(1〜3%)
→ 高用量摂取により、内因子がなくても一定量を吸収可能 舌下錠・口腔内崩壊錠
- 口腔粘膜から直接吸収
- 消化管を経由しないため、吸収障害がある方に有効
- 効果は経口高用量と同等との見解も
注射(筋肉注射、皮下注射)
- 最も確実な方法
- 悪性貧血、重度欠乏症、吸収障害の医療ケアに使用
- 通常1,000μg/週〜月
- 医師の処方が必要
摂取タイミング
- 空腹時または食事と一緒、どちらでもOK
- 他のビタミンB群と一緒に摂取すると相乗効果
- 葉酸と併用推奨(DNA合成で協働)